石鎚山、1982m。息子と見た秋の四国。
Posted on
金曜日の夜。
荷物を車に積み込んで、いざ出発!
今回目指すのは、四国・愛媛県にそびえる西日本最高峰、石鎚山。
標高1982m。
小学5年生の息子と一緒に、秋の山頂を目指す旅の始まりです。
こんにちは、ゆやのです♪
今回はいつものブログとは少し趣向を変えて、旅のしおりのように、道中の出来事を綴ってみようと思います。
目的地は石鎚山ですが、そこへたどり着くまでにも、なかなか面白い出来事がありました。
さてさて、どんな旅になるのでしょうか。
旅の1ページ|金曜日の夜、宮島SAへ
今回の旅は、金曜日の夜からスタート。
まずは広島県の宮島サービスエリアを目指します。
ここで車中泊をして、翌朝から再び走り出す計画です。
夜のうちに少しでも目的地へ近づいておく。
これもまた、車旅ならではの楽しみ方。
(車中泊と言えば、Eastbound caravanの始動も、もう間もなく…。)
目的地まで一直線に向かうのもいいけれど、せっかくなら道中も楽しみたい。
そんな私たちの旅は、翌朝、ちょっとした寄り道から始まります。
旅の2ページ|尾道、千光寺へ
翌朝、向かったのは広島県尾道市。
せっかく尾道を通るなら、高台から瀬戸内海を眺めてみたい。
ということで、ロープウェイに乗って展望デッキのある山の上へ。
眼下には、坂道に沿って並ぶ家々と、穏やかな尾道水道。
その向こうには、瀬戸内海の島々が浮かんでいます。

山の上から海を眺める。
これから山へ登りに行くというのに、すでに絶景を楽しんでいる私たち。笑
帰りはロープウェイを使わず、歩いて下ることにしました。
千光寺の境内を散策しながら、のんびり山歩。
ところが、ここで思いがけないものを発見します。
旅の3ページ|まさか尾道で石鎚山?
「あれ? 石鎚山?」
目に飛び込んできたのは、これから向かうはずの「石鎚山」の文字。
しかも、鎖場の案内まであるではありませんか。
えっ、石鎚山って四国じゃなかったっけ?笑
実は、千光寺には熊野権現と石鎚蔵王権現が鎮守として祀られています。
石鎚蔵王権現は、四国の石鎚山への信仰ともつながる存在。
千光寺の境内には「くさり山」と呼ばれる修行場があり、岩場に取り付けられた鎖を使って登ることができるのです。
かつて大正時代に取り付けられた鎖は、戦時中に供出されましたが、2005年に鎖修行が復活したそうです。
まさか尾道で、石鎚山とのつながりに出会うなんて。
こういう偶然があるから、寄り道はやめられません。
旅の4ページ|まさかの鎖場、予行練習!
目の前には、大きな岩と、上へと続く鎖。
これから向かう石鎚山といえば、険しい岩場を登る鎖場が有名です。
ということは……。
これはもう、予行練習するしかないでしょう!笑
そんなわけで、予定外の鎖場チャレンジが始まりました。
ところが息子、初めての鎖場に少々戸惑い気味。

鎖をどう持てばいいのかわからず、「怖いかも」と、なかなか最初の一歩が出ません。
そこで、足をかける場所や、鎖の安全な握り方を教えてみることに。
すると、さっきまでの戸惑いはどこへやら。
ひとつ登れば、またひとつ。
コツをつかんだ途端、するすると岩を登っていきます。
……って、ちょっと待って。
置いていかれたんですけど!笑
あっという間に、先に頂上へ。
さっきまで怖がっていたのは誰だったのでしょう。
子どもの吸収力って、本当にすごい。
できなかったことが、できるようになる。
その瞬間を目の前で見られるのも、一緒に旅をする楽しさなのかもしれません。
それにしても、石鎚山へ向かう途中に立ち寄った尾道で、まさか親子そろって鎖場を登ることになるとは。
旅の予定表にはなかった、小さな冒険。
思いがけず、いい予行練習になりました。
さて、鎖場デビューを果たした息子と、いよいよ四国へ。
本番の石鎚山が待っています。
旅の5ページ|島から島へ、橋を渡って四国へ
尾道で思いがけない鎖場の予行練習を終えた私たち。
次はいよいよ、四国を目指します。
今回選んだのは、しまなみ海道。
瀬戸内海に浮かぶ島々を、いくつもの橋でつないでいく道です。
橋の上から見渡せば、青い海にぽつぽつと浮かぶ島々。
島を渡り、また橋を渡り。
海の上を走っているような、なんとも気持ちのいい景色が続きます。
これから目指すのは、標高1982mの石鎚山。
さっきまで尾道の坂道を歩いていたのに、今度は瀬戸内海を横断中。
山へ向かう旅なのに、海まで存分に楽しめるなんて。
なんだか得した気分です。笑
こうして私たちは、いよいよ四国へ上陸しました。
旅の6ページ|いざ、西日本最高峰へ
今回の目的地は、愛媛県の石鎚山。
日本百名山のひとつで、西日本最高峰として知られる山です。
以前から一度は登ってみたかった山。
そして今回は、息子と一緒。
秋の山は、歩くほどに景色が変わります。
緑の木々の間に赤や黄色が混ざり、標高を上げるにつれて、山全体が少しずつ色づいていく。
まるで、山が秋の衣装に着替えているみたい。
千光寺での鎖場デビューを思い出しながら、いよいよ本番の山歩きが始まります。
旅の7ページ|岩と紅葉と、空
そして、目の前に現れた石鎚山の岩峰。
思わず足を止めたくなる景色でした。
切り立った岩肌に、燃えるような赤や橙の紅葉。
その向こうには、幾重にも重なる青い山並み。
空には大きな雲が流れています。
写真を撮っても、撮っても。
まだ足りない。

目で見ている景色の大きさを、そのまま持って帰れたらいいのに。
そんなことを思いながら、何度も振り返ります。
険しい岩の輪郭と、やわらかな秋の色。
石鎚山の美しさは、その対照的な風景にあるのかもしれません。
旅の8ページ|1982mの景色
そして、ついに登頂。
標高1982m。
西日本最高峰の景色が、目の前に広がります。
ここまで自分の足で歩いてきたんだ。
そう思うと、山頂から眺める景色は、やっぱり特別です。
遠くまで広がる山並み。
崖に沿って続く細い道。
小さく見える登山者たち。

こんな大きな自然の中では、人間なんて本当に小さな存在。
それでも、一歩ずつ歩いてきたからこそ、今ここに立っている。
息子も、同じ景色を見ています。
いつか今日のことを思い出したとき、どんな風景が心に残っているのでしょう。
旅の9ページ|山は逃げない
石鎚山の山頂にたどり着いた私たち。
その先には、天狗岳、そして南尖峰へと続く岩稜があります。
切り立った岩肌と、その向こうに広がる景色。
見ているだけでも圧倒されるような場所です。
でも、息子はその先へは行きませんでした。
我が家では、自然の中での遊びや、危険を伴うことに挑戦するとき、本人が「行ける!」と思えるタイミングを大切にしています。
「恐れ」も、大切な気持ちだから。
怖いと感じるのは、目の前の危険をちゃんと感じ取っているということ。
無理に乗り越えなくてもいいし、誰かと同じところまで行く必要もありません。
「山は逃げない」という言葉があります。
だから息子にも、こんな話をしました。
「また大きくなって、いくらでも挑戦できるタイミングはあるから、楽しみにとっておいて。いつか、また思い出すことがあれば来たらいいよ」
今、登らなかったからといって、何かを逃したわけではありません。
むしろ、いつかの楽しみがひとつ増えたのかもしれません。
尾道の千光寺では、最初は怖がっていた鎖場を、私より先に登っていった息子。
そして石鎚山では、その先へ進まないことを選んだ息子。
登ることも、登らないことも。
自分の気持ちを大切にして、自分で選べたなら、それでいい。
さて。
そんなことを息子に話していた私ですが……。
お転婆な母はというと、天狗岳も南尖峰も、もちろん行ってきました!笑

だって、私の「行きたい!」のタイミングは、今だったんですもの。
親子でも、それぞれのペースで。
それぞれが見たい景色を、大切にできたらいいなと思います。
旅の10ページ|山小屋の売店と、田舎者の私
登山の楽しみは、山頂からの景色だけではありません。
私がついつい覗いてしまうのが、山小屋の売店。
石鎚山限定のシェラカップに、熊鈴、手ぬぐいなどなど。
山の名前が入ったお土産って、なんだか欲しくなってしまうんですよね。
そして、こういう売店には、絶妙に古き良きダサさが残っている。
もちろん、褒め言葉です。笑
ちょっと懐かしいデザインだったり、妙に存在感のある山の名前だったり。
洗練されすぎていないところが、またいい。
なんというか、山小屋らしいんです。
その山に登った人たちが、何年も前から同じようにお土産を選んできたのかな、なんて想像してしまいます。
そんな売店を眺めながら、ふと思ったこと。
「いつか、こんな山小屋にもCALMA STOREの商品を並べられたらいいなぁ」
だって、山に登らないと手に入らないグッズって、なんだか浪漫がありませんか?
その道具を見るたびに、あの日の景色や、一緒に登った人のことを思い出す。
キャンプとはまた違う形で、そんな思い出につながる道具を届けられたら素敵だなと思ったんです。
とはいえ、山に持っていくものとなると、重さやかさばらないことも大切。
何がいいんだろう。
手ぬぐい? 小さなカップ? それとも、山でしか手に入らない何か?
皆さんだったら、山小屋にどんなお土産があったら思わず手に取りますか?
……なんて、そんなことを考えていた私ですが。
ちなみに、この日被っていたのは、CALMA STOREのキャップ。
そこには堂々と、「peasant(田舎者)」 の文字。
山小屋のお土産の古き良きダサさを愛でながら、自分も堂々と田舎者を名乗っていたわけです。笑
海外からの登山者も多かったけれど、いったいどう思われていたのかしら。😂
旅の11ページ|佐田岬から、海を渡って九州へ
石鎚山への登頂を終え、帰り道。
往路はしまなみ海道を渡ってきましたが、復路は少し違うルートを選びました。
愛媛県の佐田岬半島から、大分県の佐賀関へ。
今度はフェリーで海を渡ります。
船のデッキに出ると、目の前には青い海。
息子は手すりのそばに立って、岬の灯台を眺めています。

「四国から帰りたくない…」
「楽しかったよね、また行こうね。」
そんな言葉を交わしました。
行きは橋の上から眺めた海を、帰りは船の上から。
同じ旅の中で、こんなにも違う景色に出会えるなんて。
山の上で見た景色も、海の上で過ごす時間も。
全部まとめて、今回の旅の思い出です。
こうして、私たちの四国の旅も終わりに近づいていきます。
最後のページ|持ち帰ったもの
今回、息子を石鎚山に誘ったときのこと。
実は以前のブログ「心の内にある居場所」にも書いたのですが、息子はこんなことを言っていました。
「クラスのみんなにタブレットで写真撮って送りたいから、行こうかな。喜ぶと思う」
その言葉が、私はとても嬉しかったんです。
自分が見たい景色だけではなく、誰かに見せたい景色がある。
そんな気持ちを持つようになった息子と、今回一緒に山を歩くことができました。
これから先、息子がどんな山に登るのか。
そもそも登山を好きになるのかどうかも、まだわかりません。
でも、今回見た景色が、いつかふと思い出す記憶のひとつになってくれたら嬉しい。
青い海を渡ったこと。
尾道で初めて鎖場に挑戦したこと。
赤く染まった山を歩いたこと。
1982mの山頂に立ったこと。
そして、その隣に私がいたことも。
旅のしおりの最後のページに、そっと書き残しておきたいと思います。
2026年10月、秋の石鎚山。
またひとつ、親子の思い出が増えました。